握手


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Q&A

Q 「握手」の主題

 主人公は「わたし」です。従って「わたし」の主人公の心理の変化に主題があります。各エピソードは「手」に読者の注意を向けながら,師の健康に不安を持ち,最後にそれが確信となり,最終エピソードで自己罰を与えるようにバッテン印のハンドサインを出していることから,以下が主題と思われます。

 

  • ルロイ修道士が死を自覚していることに気付きながら ルロイ修道士に対して納得のいく言動ができなかった自分への苛立ちと,亡くなったルロイ修道士が自分を本当の息子のように感じてくれていたことに気づかず父親として接することができなかった慚愧の思い。

 主題というモノは,作品を通じて作者は何を言いたかったのか,ととらえる場合が多いようです。しかしそうした場合,作者だけが正解を握っていることになります。それだと,作者が死んでしまったら,作品の主題は永遠の謎ということになります。

 そこで,最近は,主題は読者一人ひとりの心の中にある…みんな違ってみんないい,という考え方に変わってきています。これを読者論的な主題と言います。

 ルロイ師が「カナダ人とか日本人とかはない,一人の人間がいるだけだ」等から平等主義を感じようと,「困難は分割せよ」から人生訓を感じようと,まあ,自由というわけです。しかし,作品全体から言えること,という点でどうでしょうか。ひとくくりにすると,ルロイ師の誰もが幸せになって欲しいという願う無償の愛が主題とも言えますね。

 ですから「握手」の主題はこれ,というものはありません。解を導く過程に誤りがなければ,そしてその解が作品全体から論証できれば,内容は読者一人ひとりに任されていいと思います。 

 「なんじゃ?そりゃ。感想文じゃね?」と言われない程度に,自分で考えてみましょう。(少なくともルロイ修道士賛美の話ではありませんよ。)

Q 作品のモデル

 よく言われることですが,この作品のモデルは実在します。

 ルロイ修道士は,この人です。名前をサルト・ベランジェと言ってラ・サール修道士会のブラザーです。

 「わたし」は,作者のこの人です。井上ひさしさんで昔のNHK人形劇「ひょっこりひょうたん島」などの作者です。

 ルロイ修道士が過ごした「光が丘天使園」は実在します。(現在はラ・サールホームと名称を変えています。)ここです。名前からわかるように,有名進学校のラ・サール高校も経営しています。

Q 作品の優れている点

 何が優れているかは,読者によって異なりますから,もし課題で出された場合は,あなたが感じたことを書けばいいと思います。

 私なら,

  • 題名が「握手」となっていることからもわかるように,まず読者を「手」に注目させることで物語を展開させ,それぞれのエピソードのまとまりを持たせている点。過去と現在を行き来する,ともすれば難解になりがちな内容を,「手」でうまくまとめています。
  • 伏線の張り方が実に巧妙である点。「わたし」が始めてルロイ師と「握手」をした場面が,ルロイ師との別れの場面に対応していることもそうですが,ルロイの病気を次第に確信していく伏線の張り方が読者を飽きさせません。
  • 完全なフィクションではなく,ある程度作者の経験が踏まえられ,リアリティを感じさせる内容である点。

などです。

 あと,ルロイ師のセリフで心に残るもの…例えば人間観とか,人生訓とかを書き足してもダメとは言われないと思いますよ。

 


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