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 高校入試では、必ずと言って良いほど用言の活用が出題されます。その中でも、動詞は特に狙われやすいものです。

 そして、難問以外の基礎的問題は、考えなくても条件反射的に正解を出せなくてはいけません。数学の計算問題と同じです。

 

 そのため、動詞の活用の種類と活用形の問題を中心に、100問余りの練習問題をつけました。当然、正解例と解答用紙付きです。是非お買い求めください。

 

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動詞

 動詞は、後に続く言葉によって語尾が変化する言葉(用言)です。

 終止形(言い切りの形・辞書に載っている形)が、

  • 動くウ
  • 起きるウ
  • 寝るウ

のように、ウ音で終わります。


活用の種類

  例えば「聞く」の場合、

  • ・ない
  • ・ます
  • ・。
  • ・とき
  • ・ば
  • ・!
  • ・う

と、活用語尾がカキクケコと変化しています。

このように、アイウエオ音のすべてが入っている活用を五段活用と言います。(「聞・う」は未然形です。)

 五段活用も含めて、活用の種類は5種類しかありません。

 「起きる」の場合、

  • き・
  • き・ます
  • きる・
  • きる・とき
  • きれ・
  • きろ・

と、きイ・きイ・きイル・きイル・きイレ・きイロと活用語尾が変化しています。

 このように、イ・イ・イる・イる・イれ・イろと、全てにイ音が入っている活用を上一段活用と言います。

 また「寝る」の場合は

  • ・ない
  • ・ます
  • ねる・。
  • ねる・とき
  • ねれ・ば
  • ねろ・!

と、ねエ・ねエ・ねエル・ねエル・ねエレ・ねエロと活用語尾が変化しています。

 このように、エ・エ・エる・エる・エれ・エろと全てにエ音が入っている活用を下一段活用と言います。(ちなみに「寝る」には語幹がありません。)

 

 あとの二つは、「来る」の一語しかないカ行変格活用と「する」のサ行変格活用です。

 「来る」は「・ない」「・ます」「くる・。」「くる・とき」「くれ・ば」「こい・!」と活用します。

 「する」は「・ない」「・ます」「する・。」「する・とき」「すれ・ば」「しろ・!」と活用します。 

見分け方

 活用の種類の見分け方は簡単です。

 「来る」だったらカ変、「する」だったら、サ変です。

 五段・上一段・下一段は、「ない」をつけてみます。「ない」の直前の音がア音だったら五段、イ音だったら上一段、エ音だったら下一段です。

 サ変の場合、「する」だけでなく、

  • 勉強する

のように、他の単語(主に名詞)について、複合動詞「~する」という一単語になりますから注意しましょう。


活用形

 「聞く」という単語について考えてみましょう。

 「人の話を聞け!」と言いますね。でも「聞け」という単語は辞書には載っていません。辞書で意味を調べようと思ったら「聞く」でひかなくてはいけませんね。

 

 「聞く」のように辞書に載っている形を、小学校では「辞書に載っている形」とか「言い切りの形」とか言いましたね。中学校ではこの形を終止形と言います。

  「聞く」は

  • 聞か・ない
  • 聞き・ます
  • 聞く・
  • 聞く・とき
  • 聞け・
  • 聞け・

と、後に続く言葉によって変化します。

それぞれ、順番に未然形・連用形・終止形・連体形・仮定形・命令形と言います。これらを活用形と言います。

 未然形と連用形、終止形と連体形は、活用語尾が同じものがあります。注意しましょう。

 未然形とは「未だ然からず」、つまりまだそうなっていない状態を意味しています。その単語が「まだそうなっていない」なら未然形、そうでなければ(活用する単語が次に続いていたら)連用形と判断しましょう。

 終止形は文の最後にくることがほとんどです。また連体形は次に体言が続いています。

 

  テストなどの出題の基本となりますから、「未然・連用・終止・連体・仮定・命令」と、順番も含め暗記しましょう。 

 基礎的なことですが、活用の種類と活用形を間違える人が多いようです。決して間違えないようにしましょう。


まぎらわしい動詞

 動詞では、活用の種類と活用形を答える問題が多いようです。「~ない」をつけて五段・上一段・下一段を判断し、活用させてみて活用形を判断するのですが、まぎらわしい動詞があります。

 注意しましょう。

自動詞と他動詞

  • 先生、窓ガラスが割れました。
  • 先生、窓ガラスを割りました。

 似たような言い方ですが、中身は全く違いますね。

 「割れました」と言うと、自然に割れてしまった、ということになります。一方「割りました」と言えば、割ったのは話し手です。

 自然とそうなるほうを自動詞、誰かやった人がいるほうを他動詞と言います。

 「割れました」は「割・ない」「割・ます」「割れる・。」「割れる・とき」「割れれ・ば」「割れろ!」と活用するので、下一段活用です。

 一方「割りました」は「割・ない」「割・ます」「割・。」「割・とき」「割・ば」「割・!」と活用するので、五段活用です。

 つまり「割れる」と「割る」とは、活用の種類が違うので違う単語と考えます。意味が似ているかどうかは関係ありません。


可能動詞

  • 「難しい問題を解く」
  • 「難しい問題が解ける」

 

 この二つの言い方で、上の方はただ「問題を解く」というだけの意味ですが、下の方は「解くことができる」という意味を含んでいます。

 「解く」は「解か・ない」「解き・ます」「解く・。」「解く・とき」「解け・ば」「解け・!」と五段活用ですが、「解ける」は「解け・ない」「解け・ます」「解ける・。」「解ける・とき」「解けれ・ば」「解けろ・!」と下一段活用です。

 従って「解く」と「解ける」は違う単語で、「解ける」というように「~ができる」意味が含まれている単語を可能動詞と言います。


音便

  • 書いた
  • 読んだ
  • 走った

 これらは五段活用ですが、

  • 書か・ない、書き・ます、書く・。、書く・とき、書け・ば、書け・!
  • 読ま・ない、読み・ます、読む・。、読む・とき、読め・ば、読め・!
  • 走ら・ない、走り・ます、走る・。、走る・とき、走れ・ば、走れ・!

のように「い」「ん」「っ」が活用の中に含まれていません。

 このように、活用語尾が「い」「ん」「っ」に変化するものを、音便といい、それぞれイ音便、撥音便、促音便と言います。

 音便は、動詞の場合五段活用連用形にしか現れません。ですから音便があったら五段活用連用形だと判断するラッキー問題だと思ってください。


補助動詞

  • 珍しいラーメンを食べる。
  • 珍しいラーメンを食べてみる。

 

 この二つの文を文節に分けると、上の方は「食べる」であるのに対し、下の方は「食べて+みる」の二単語に分かれています。

 では、「述語はどれでしょう」と言われたらどうしますか?

 

 上の文は「食べる」で良いのですが、下の文は「みる」となります。なぜなら述語は文の最後になくてはいけないからです。

 しかし下の文の「みる」に「視覚的に認識する」という本来の意味はありません。あくまでも「食べる」に添えて言っただけのものです。

 

 このように補助的に使われる動詞を補助動詞と言います。

 

 

 補助動詞は、品詞の問題としてでなく、主語・述語を問う問題のひっかけとして出題されることが多いようです。

 主語や述語を答える場合は、一文節で答えなくてはいけません。間違えて「食べてみる」とか「食べて」と答えないように気をつけましょう。